導入の経緯
最先端の研究をサポートする大型映像装置
三田キャンパスの東館は世界に貢献する国際研究大学となるための基盤として設立されたグローバルリサーチインスティテュート(KGRI)の主要拠点として、医学・薬学系、理工学系、人文社会系など幅広い分野の研究者により文理融合・領域横断的研究が行われています。6階にあるグローバルリサーチラボで使用する研究装置として、4K映像にも対応可能なTH-55VF1HJで構成された24面の大型マルチスクリーンシステム2基をはじめとした当社製の映像音響システムが導入されました。今回更新された最新・最先端の映像・音響システムの組み合わせにより、グローバルリサーチラボ全体を研究の舞台として、オープンかつ広い研究環境の下で壁面に設置された高精細かつ複数大画面を活用することにより、多人数の研究者や複数のテーマによる分野横断的、国際的な研究展開を可能にします。
システム紹介
高精細・大画面マルチスクリーンにより、臨場感あふれる研究環境を実現
グローバルリサーチラボは、人文社会科学から自然科学まで、幅広い学問領域の研究者により使用されます。医療やナノテクノロジーなどの先端分野の研究では、高精細の映像・画像が使われるケースが多く、複数のディスプレイに分割表示した場合でも細部まで見やすく、また4K映像にも対応する高精細映像の再現性と、0.9 mmの狭額縁は、採用の重要なポイントでした。また、120人収容可能で中間階にサブフロアを有する施設では、さまざまな方向からスクリーンを見ることになるため、IPSパネルの視野角の広さや、光の映り込みを軽減するアンチグレア処理で、どの角度からも鮮明な映像を見られることも重要なポイントとなりました。2基のマルチスクリーンには、研究資料だけでなく、インターネットを経由して国内外の学術機関や研究機関の映像や関連資料など、そのときどきに応じて多様な映像・画像を表示できるなど、研究成果の効果的な発信が可能となり、研究活動の現場から世界へ効果的な発信が可能となる環境を構築することができました。
最新の映像音響システムを簡便な操作で使用可能
今回のリプレイスでは、ディスプレイ以外にもアレイスピーカー、リモートカメラやライブスイッチャーなど、当社製の映像音響システムを導入いただきました。従来は、スピーカーからの距離で音量差がありましたが、アレイスピーカーは距離減衰が少なく、その音量差を低減して視聴者にも好評を得ています。映像・音響設備の操作は、操作卓のタッチパネルや、タブレットで簡単に使えるようになっているので、初めての方でも説明を聞けば容易に使いこなせるシステム設計となっています。
オープンラボ/コラボレーションスペースに4Kディスプレイを導入
東館の4階、5階には、異分野の研究者が交流し研究活動を行う空間として、オープンラボ(4階)、コラボレーションスペース(5階)が用意されています。オープンな環境で研究者の交流を推進でき、思い立った時に国内・海外の研究者とも交流ができる施設として活用できるように、4K液晶ディスプレイTH-84LQ70Jなどが導入されました。
湘南藤沢キャンパス様でも当社製マルチスクリーンが活躍
慶應義塾大学様では、2015年に湘南藤沢キャンパスの大講義室(θ:シータ館)にTH-55LFV70Jによる4K映像表示対応、32面の高輝度マルチスクリーンシステムを構築されています。θ:シータ館は通常の授業のほか、式典やセレモニー、学生が運営するイベントの会場などにも使用されます。マルチスクリーンシステムは、授業などでの明るい室内環境でも鮮明な映像を表示でき、シチュエーションに合わせた多彩な空間演出や、学生が制作した4K映像のプレゼンテーションなどにも活用されています。
システム系統図
導入システム
- マルチスクリーン対応 液晶ディスプレイTH-55VF1H×48台
- タッチスクリーン 液晶ディスプレイTH-65BF1J×6台
- 4K 液晶ディスプレイTH-84LQ70J×4台
- スタンダード 液晶ディスプレイTH-42LF8J×1台
- アレイスピーカーWS-LA232×2台
- アレイスピーカーWS-LA208×12台
- リモートカメラシステムAW-HE70SW9×4台
- リモートカメラシステムAW-HE70HW9×6台
- リモートカメラコントローラーAW-RP120G×1台
- ライブスイッチャーAV-HS410N×1台
システム設計 パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社
導入を終えて
大型マルチスクリーンシステムは、LED照明とのマッチングも調整することで、どんな照明状況でも非常にきれいに見える表示装置となりました。今回納入したシステムを最先端の研究に活用いただくことで、慶應義塾の研究ブランディング力のさらなる向上に寄与できるものと考えられます。
お客様紹介
福澤諭吉の建学理念を活かし、世界に発信する研究拠点
慶應義塾大学様は、人文社会科学から自然科学まで幅広い学問領域の研究者を擁する総合大学としての強みを活かし、「長寿」「安全」「創造」の3つのクラスターを設け、文理融合研究推進を打ち出されました。グローバルリサーチインスティテュートは、その実現拠点として、学内の教育研究分野と連携しながら文理融合研究や領域横断研究を推進し、その成果を広く国際的に発信することを目的とされています。